こんにちは。
今回は、奥多摩日帰り登山で、カモシカに出会った時の記録です。出会った時はクマだと思い込んでいて、あせりました。体格が似ていて、よく間違えられるそうです。
いつ | 2016年2月中旬 |
どこ | 日の出山(902m)御岳山(929m) |
旅程 | (1日目) 東京発(6:30ごろ) ー 軍畑駅(9:00着) ー 築瀬尾根でカモシカに出会う(11:00) ー 日の出山山頂着、ランチ(12:40) ー 御岳山(13:30) ー 古里駅(15:40) |
装備 | とくに必要なし |
予算 | 往き:軍畑駅まで 帰り:古里駅から |
この日は、いつも奥多摩に向かう時と同じように家を出て、青海線で軍畑駅で下車することに決めました。まだ御岳山に行ったことがなかったので、日の出山からアプローチするのも悪くないかと思ったのです。
軍畑大橋を渡り、御岳神社を通り過ぎて、しばらくは塗装された林道を行きます。半時間ほどで、右手に登山道への細い階段が現れ、とたんに山深くになります。
2月の週日なので、誰もいません。
しばらく閑静でやや暗い登山道をせっせと登りつめると、やがて視界が開けて、築瀬尾根にでます。
右手は深い林になっているけれど、左手は180度のビュー。

築瀬尾根
開放感にくわえ、とても気持ちいい天気で、Tシャツ一枚になって軽快に歩き始めました。
そして、もうすぐ尾根も終わり高峰の合流点と思われるころ・・・
ふと上を見上げると、尾根の頂点と思われる数十メートル先の切り株の横に、オオカミの、、、剥製・・・?
いえ、オオカミにしては、大きすぎます。しかも、なぜ山中に剥製を置くのだ、人間よ?(←というか、なぜ剥製と考えた、自分?)
おすわりの姿勢からぴくりとも動きません。
じっと座って、両耳をピンと立て、私を見つめています。
進退を決めかねて、私も突っ立ったまま、じっと対峙していました。
すると、1分後くらいでしょうか、剥製の左耳がひゅんっと90度回転しました。林の中の何かに聞き耳を立てています。
生きている・・・本物だ。
しかしこの生き物はいったい?犬やオオカミではありません。鹿には似ても似つきません。それより大きいとすると?・・・クマ?
肉眼では拡大できないので、携帯のカメラを取り出して最大ズームをして確認してみました。それがコレ↓
私の記憶の中では、もっとシャープな犬のような顔立ちだったのですが。
なにであれ、このまま前進するのはやめたほうがよさそうです。
数歩、後ずさりをしてみたのですが、尾根は永遠と続きます。剥製さんの視界から消えるまで、永遠と後ずさりを続けることはできません!
仕方がないので、くるりと翻しなるべく走らないようにその場をはなれ、来た道を引き返しました。左手の林の中からは、グルグルグル、、、という何かの唸り声が聞こえます。
再び暗い登山道の中に足を踏み入れることは、一瞬躊躇しましたが、他に道はありません。携帯のポッドキャストを最大音量で鳴らし、なにも起こらないことを祈って突入しました。
林の中からは、何かが動く気配が近く、生き物の唸り声が聞こえましたが、知らないふりをして一目散に駆け下りました。
無事林道まで出ると、ほっと一息。
日の出山へは、やや遠回りになりますが、この林道を登っても行くことはできます。ただし、あの剥製さんがいたあたりを、再び通ることにはなります。
それとも今日はもう諦めて引き返すか、と迷ったのですが、やはりせっかく奥多摩まで来たのだからと、初志貫徹することに決めました。
林道を一人登っていると、上から自転車でシャーっと降りてくる男性がいます。すれ違いざま、ブレーキをかけて「気をつけてくださいね」とおっしゃる。
「気をつける」とは、いったいどういう意味ですか!?クマが上にいるってことですかっっっッ!?
と、心の中で叫びましたが、彼はもはやはるか遠方の下。
勇気を奮い起こして、クマベルを鳴らして歩きました。
途中、「熊出没注意」のサインがあったり、暗くてわびしい登山道を行かざるをえなかったり、心が折れかけましたが、やがて日の出山の山頂に出ることができました。

日の出山山頂
人間がいる!二人もいる!!ありがたや。
初老のおじさんたちがお話をされていて、ようやくほっとすることができました。
他は誰もいない寂しい山頂でしたが、ここでランチをして、御岳山に向かいました。
御岳山は山頂というよりは、街。

御岳山にて
道はアスファルトで、宿と宿の間を歩く感じです。団体の登山客とすれ違いましたが、それ以外は閑散として静か。
神社の階段を乗りつめると、展望がひらけます。
冬は早く日が沈むので、あまり長居はせずにおいとましました。
下りは大塚山経由で古理駅へ。やはり静かで少し寂しいソロ下山でした。
一人で登山するのは気楽でいいけれど、こういう時は寂しいですね。せめて登山道に一人は人がいてほしいものです。
出会ったのはカモシカだった
さて、後日、登山用品屋さんで聞いてみると、奥多摩観光協会に問い合わせていただいて、どうやらあの剥製さんはカモシカだったそうです。
かなり目撃情報もあるそう。八ヶ岳なんかではゴロゴロいるそうですが、奥多摩にもいるんですね。
ツキノワグマの写真を見た時は、口鼻目が記憶にある剥製さんに酷似していて焦りましたが、カモシカの写真を見ると確かにカモシカ。
なにはともあれ、次回からは人のいる週末に行こうと思った次第です。