念願のアンコール・ワットへ行ったときの記録です。
子供の頃、近くにやってきたアンコールワットの展示会を見に行ってからすっかりファンになり、いつかは行くぞと決めていましたが、実際に行って見て、その魅力と迫力は想像以上!
まだまだ観たいところもあり、またもう一度行きたいと思っています。
仕事が忙しく思い立ったのは直前。リサーチもそれほどできませんでしたが、カンボジアでのひとり旅は、とくに以下の点には気をつけなくてはなりません。
- 空港からホテルまでの交通手段
- ホテル(部屋に2重ロックがあるなど)
- 観光に使う足
とくに一人旅の女性は、交通手段の手配の仕方に気をつける必要があります。
空港からのタクシーは登録制のタクシーを手配してもらうこと。ホテルは宿泊客の安全対策面で特に評価の高いところを選ぶこと。そして、観光で使うタクシーは、必ずそのホテルから手配してもらう、もしくはお抱えのタクシーがあるホテルにすること。
この3点を守らなければ、よっぽど護身に自信がない限り、カンボジアで女性一人旅はやや不安。
手っ取り早く解決するなら、ホテル選びにすべてをかけることもできます。つまり、ホテル良ければ全てよし。
オンラインで英語サイトをリサーチし、セキュリティ面で行き届いている、Sokha Angkor Resortというホテルに決めました。

居心地よいホテルのロビー
ホテルおかかえのドライバーがいて、ホテル側が宿泊客の観光中の安全まで面倒をみてくれます。プールやレストラン、マッサージなどがそろった5スターホテルで、内装やアメニティ、スタッフの笑顔は最高です。
少し値ははりますが・・・。
ひとまず3泊予約して、あとは到着後のながれにまかせることに。
さて、シェムリアップ空港までは、ベトナムのホーチミン経由で入りました。
空港のすぐ外、左手にタクシースタンドがあり、職員が登録タクシーを手配してくれます。街まで一律7米ドル。
乗車してみるとあまり綺麗ではないバンで、運転手が日程を根掘り葉掘り聞いてきます。自分はガイドの資格があり、明日からのガイドを担当させてくれ、と何度も頼まれました。35ドルでガイド+運転とのこと。
ホテルには無事到着しましたが、ドライバーはホテルの中まで入ってきて、ガイドを担当させてくれ、確約するまで去らない、電話をするから番号をくれとしつこい。依頼するなら電話をするので、と電話番号を残してもらってやっと帰らせました。
やはり安全を考え、ドライバーの手配はホテルにお願いしました。女性ガイドはいないとのことだったで、ガイドなしで1日40ドル。安全はホテルが保証してくれます。
この日はすでに夕刻になっており、ホテルのレストランで夕食にして就寝。ホテルの部屋は、バスルームも超おしゃれできれい、ベッドも快適でした。
1日目午前:感動の遺跡群 クメールの微笑みとアンコール・トム
初日はいよいよ、アンコール・トムとアンコール・ワットを訪れます。
8時に、ドライバーがホテルでピックアップしてくれます。きれいで匂いのない快適な乗用車で、シャイで善良そうな運転手。乗った瞬間、ホテルのドライバーにしてよかった、と思いました。
クーラーに冷たい飲料水もつんでくれていました。カンボジアは年中通して日本の夏より暑く、熱中症には要注意です。
アンコール・ワットは太陽の方向の関係で、午後に訪れるのがよいとのことで、午前中はアンコール・トムへ。
アンコール・ワットを通り過ぎる前に、チケットを購入するチェック・ポイントがあります。日曜であったせいか、とても混んでいて待ち列も長かったのですが、写真撮影を行って発行するわりに、手際がよくて案外素早くもらえました。
遺跡に1週間のうち3日間入場できる3日券で40ドルでした。
遺跡としてはアンコール・ワットが有名だけど、私の目当ては、実は北側に広がるアンコール・トム。
アンコールは、802年から1431年まで続いたクメール王朝の首都です。
ヒンドュー教のシヴァ神(第三の目がある荒ぶる神)を崇拝していた過去の王とは違い、ヴィシュヌ神(4本の手を持つ温和な神)を崇拝したスールヤヴァルマン2世(1113年〜1150年)が建設したのが、アンコール・ワット。
ヒンドュー教の神を崇拝した過去の王とは違い、大乗仏教を篤信したクメール王朝最も偉大な王ジャヤヴァルマン7世(1181年〜1218年)が建造したのがアンコール・トムです。
子供のころからのファンと書きましたが、何が魅力的なのかというと、その微笑みです。
私は、ジャヤヴァルマン7世像の微笑みと再会するためにやってきたのです!
ということをドライバーに伝えるが、ジャヤヴァルマン7世?誰それ?という感じで彼も微笑んでいる。
発音が悪いのか、本当にアンコールワットの歴史を知らないのか。
ちなみにどんなに素敵な微笑みかというと、コレ↓
めちゃハンサム。知と慈愛に充ちておる。(この写真はどこからきたかというと、ずっと大切にしているアンコール・ワット出張展示会で買ったクリアファイルからですハイ。僧侶なのかジャヤヴァルマン7世なのかは不明ですけれど。)
ともかくとして、そんな素敵な王様が建設したアンコール・トムに向けて車を走らせました。自転車で周っている観光客が気持ち良さそうです。

アンコール・トムへの入り口、南大門
ついにやってきたアンコール・トム。門前で、車を止めてもらって、徒歩でくぐりました。門まで微笑んでますね。
入り口から「宇宙の中心」の寺院、バイヨンまでは1キロ以上あるので、再び車に乗せてもらって林の中の道を走ります。
寺院の前でドライバーとは一旦わかれ、象のテラスの前の駐車場で待っていてもらうことに。

ついにやってきました!宇宙の中心 バイヨン寺院
ガイドブックの写真には前に聖池があるのですが、乾季ですっかり枯れてしまっているもよう。
初めてのアンコール遺跡で、回廊の意味合いや見学の仕方を判別するのに、やや時間がかかりました。初日はガイドを雇ってもよかったかもしれません。
中央祠堂で、お線香をあげて赤い紐を手首に結んでもらいました。回廊の窓からは、観世音菩薩の四面塔がさまざまに見えて、それぞれに違った微笑み。
あ、この微笑みいい!と思ったのが、おそらく「クメールの微笑み」かと見当をつけて探索を開始しました。

クメールの微笑み
最も印象的なのは、やはり回廊の壁に施された浮き彫り、レリーフ。仏教とヒンドュー、クメール軍と宮廷生活の様子など、隙間なく躍動感を持って浮き上がります。
900年もの昔の世界が、回廊から回廊へ、周っても周っても登場します。病人から王の軍隊、中国人の宴会の様子から乳海撹拌まで、全部違ったストーリーを展開していて、見始めるといくら時間があっても足りません。

バイヨンのレリーフ
結局、バイヨンだけで2時間も使ってしまいました。先を急いで空中参道を行き、パプーオンへ。

ウダヤーディティヤヴァルマン2世建設のパプーオン。ヒンドゥー教
そして次のピミアナカスへは、閑散とした林の中で道もはっきりしません。
カンボジアの幼い少年が、ツーリストに向かって「Hello, where are u from?」を繰り返しています。

スールヤヴァルマン1世建設のピミアナカス。ヒンドゥー教。
沐浴場の女池や男池には、デバダーやワニなどの彫刻もあるそうだけど、時間がなくて象のテラスへ。
象のテラスは300メートルも続く長いテラスで、上に乗ってしまうと側面に描かれているレリーフが見えません。向かいの道からながめて、ああ、この上を歩いていたのか、と感慨。

王のテラス
王のテラスはジャヤヴァルマン7世が再建する前の姿も復元されていて、壁と壁の間の狭い通路を通ってレリーフを見学することができました。
どれも、この地に根ざし、ものすごい労力で築き上げられた文明の証。出張展示会で、ケースに収められたピースごとに観るのとは、わけが違います。
まだまだ見るべき遺跡はたくさんあったのですが、ドライバーには2、3時間で戻ると言ってあったのに、もうすでに3時間以上。さすがによろしくないかと断念、続きは明日戻ってくることにしました。
昼食は、ドライバーまかせでアンコール・ワットすぐ横のレストランへ。

スープとジュースとチップで9ドル。
さて、午後はアンコール・ワットです!
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