今年の春、ついにマチュピチュまでインカトレイルをトレッキングしてきました。
インカトレイルとは、その昔、インカ帝国時代に存在した長大なインカ道うち、マチュピチュへと続くルートをトレッキング用に整備したトレッキング・ルート。
(インカトレイルについてはこちらでくわしく書いています。)
いくつかあるインカトレイルのうち、もっとも一般的な、クスコから82キロメートル(あるいは88キロメートル)地点から始まる「Km 82(Km 88)」というルートを踏んできました。
アンデスの山中を3泊4日でテント泊する、本格トレッキングです。
4本立てでお届けします。
1日目
朝3時起床。
4日間滞在したクスコのホテルをチェックアウトして、まだ暗い夜道を歩いてレゴシホ広場へ。
申し込んだインカトレイルのオペレーターは、「リャマ・パス」といいます。リャマ・パスはパンフレットからユニフォームまで真っ赤。
やはり広場の端で静かに待ち構えていたバスも赤でした。
1日目は、標高2,720メートルの「Km 82地点」から出発します。
Km82地点まではバスです。
ツアー参加者はカナダやイギリス、アメリカなどから集った11名。
大きなグループなので、ガイドは2名つきました。
バスの中ではガイド挨拶も短く、すぐに電気をおとしてトレッキングに備えて皆睡眠。
途中、ポーター宿舎見学のために、眠たい目をこすって下車しなくてはなりません。
ポーター宿舎は2段ベッドがぎっしり詰まっていて、農村から出稼ぎにきているポーターが住んでいるのだそう。持続的ツーリズムのため、ポーター福祉は重要なのです。
ここでポーターらも乗車し、次は7時ごろまでバスにゆられました。
オリャンタイタンボに立ち寄って朝食。ここでようやく、グループメンバーがお互いゆるりゆるりと打ち解けていきます。
だいたい2〜3人組で、一人参加は私とアメリカ人の女性のみ。(彼女はもともと家族4人で参加予定だったとか)

CoffeにWather…いったい何語だ!?
Km82に到着したのは8時半ごろで、そこでトレッキング準備とトイレをすませ、ポーターに荷物をあずける人はパッキングをします。
インカトレイルの看板前で記念写真を撮影して、いよいよ出発!すでに9時ごろでした。
入り口のパスポートコントロールでは、一人一人パスポートを確認されます。結構時間がかかりました。
今日は、16キロメートル歩いて、標高3,300メートル地点でテント泊という予定です。
クスコに数日滞在して、高山病はもう全く感じなくなっていました。
グループの仲間やガイドとおしゃべりしながら、始めから
Take it easy!
的な感じでゆっくり歩いては休憩し、また歩いては休憩し、となかなか進まない気もしたけど、やがて2時間ほどでウィルカラケイというインカトレイルで初めての遺跡に到着。

ウィルカラケイ遺跡
ウィルカラケイは古い村の遺跡で、このような村々が山麓には点在しているとのこと。
部屋、といっても石の壁しか残っていないのですが、それぞれ入り口がわかります。部屋と部屋の間には窓もあります。
ドアはなかったと考えられているそうで、村のものは村全体で共有するので盗みに入る必要もない、とのこと。
山々にかこまれて、なんと新鮮な空気!といいたいところだけど、実は、トレイルはラバや馬・牛の糞でいっぱいで・・・。
自然の美味しい空気を胸いっぱい、というわけにはいきません。

お利口なラバさん。飼い主が休憩すると、何も言わなくてもトレイルの先で道の脇によってじっと待っています。
やがてなだらかだったトレイルは急になり、7キロ程度のザックを背負ってでは息が切れ始めました。
オペレーターからレンタルしたトレッキング・ポールは、使ってみたけれど余計疲れるだけのような気がして、結局背負って運ぶハメに。(トレッキング・ポール自体はブラックダイアモンドで、上質です)
トレッキング・ポールは、きっと腕の筋肉のある人向けのものなのと認識を改めます。
ランチサイトに到着したのは、1時半頃。
ポーターは我々より遅く出発したんですが、すでに到着してテントを建て、炊事をして待っていました。
そして、驚愕のランチ。

このご馳走はいったいどこからどうやって?
スープから始まって、続々と運ばれてくる豪華ディッシュの数々。
その噂は聞いていたけれど、これほどまでとはと、一同度肝を抜かれました。
食後はコカ茶でゆっくり休憩します。
(ちなみにコカ茶は高山病に劇効きです。クスコに着いたばかりのころは飲むことに抵抗があったんですが、これなしではムリ!ポーターもコカの葉を噛んで走破します。ガイドさんは、自然薬であるコカの葉をコケインで悪者にしたのはアメリカ人とお怒りでした。)
午後はやや天気がくずれて大粒の雨が降ってきました。
と思うと晴れてきたり、山の天気はコロコロと変わります。
標高2,500メートルからの眺めは本当に素晴らしく、5,000メートル級までの山々が、見渡す限り、天に向かって緑豊かににょきにょきと地から立ちのぼっている景観に驚かざるをえません。
こんな高度でも、低木や野原は緑をやめないのです。
息が上がると足を止めては景観を望んで、生まれて初めてみる光景にひとしきり感動してまた歩く、という感じで前進していきます。
入域制限をされているインカトレイルですが、ここにも人は住んでいて、地元の人たちの暮らしぶりも垣間みることができます。
夕方5時頃、あたりは薄暗くなり始めているころにテント場に到着。
オペレーターによって色の違うテントが、テント場の敷地内にぎっしり敷き詰まっていました。
テント場はスロープは急すぎるので、段々になっています。
グループ内の男女比率は半々くらいですが、女性は端数になって、二人用のテントを一人で使わせてもらえることに。(確実に一人で使用したい場合は追加料金を払います)
テント内は広々として快適そうです。
ポーターが用意してくれた洗面用のお湯でリフレッシュして、寝床の準備を終えたころにはすっかり真っ暗。
温度は急速に落ちていきます。
夕食だというので、フル暖房装備でヘッドライトが行き交う暗闇の中を歩いてすぐそこの赤い食事用テントにゆくと、これまた前菜スープから始まるフルコースのご馳走が待っていました。
めちゃくちゃ美味しい。だいたいペルーの食事はどれも美味ですが、クスコの食事より美味しい。
夕食後はティータイムで談笑して、間も無く食事用のテントから追い出されます。
食事用テントは、ポーターの寝床になるからです。
そういえば、靴は盗まれるのでテント内で保管すること、と注意をうけました。なんと・・・
さて、明日はいよいよ一番ハードな二日目。標高4,250メートルのDead Women’s Pathを越えます。
やや緊張して就寝。
テント場は少しスロープがあるみたいで、何度かずり落ちている自分を引き上げる必要はありましたが、寝袋もマットも(どちらも持参)良い感じでよく休むことができました。
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