こんにちは。やまびとです。
今回は、今月初旬にいってきた初めてのソロテント泊について書こうと思います。
いつ | 2016年12月初旬 |
どこ | 大菩薩嶺(2,057m) |
旅程 | (1日目) 東京発(6:30ごろ) ー 塩山駅(9:15着) ー 大菩薩嶺登山口までバス(10:00ごろ着) ー 福ちゃん荘(13:00ごろ着、テント設置・ランチ) ー 大菩薩峠へピストン (2日目)福ちゃん荘出発(6:30ごろ) ー 大菩薩峠(7:00ごろ) ー 大菩薩嶺(8:00ごろ) ー 丸川荘(9:30ごろ、ブランチ) ー 登山口から塩山駅へ(11:59のバス乗車) |
予算 | 塩山駅〜登山口 バス:片道300円✖️2 福ちゃん荘テント場:400円 |
今年春に行ったインカ道ではもちろんテント泊でしたが、テントはポーターが運んでくれたし、グループでのトレッキング。
今回は、自前のテントを自分で抱えての初めてのソロテント泊です。
ということで、出発前夜は寝落ちる瞬間まで、大菩薩嶺を登るか雲取山にするか迷っていた私。
起きた瞬間に大菩薩嶺にすることに決定。
理由は、
- 前回の雲取山けっこうたいへんだった(前回は山荘泊。雪山だったせいか相当疲れた記憶が)。
大菩薩嶺は初めてでしたが、日帰りでもいけるくらいだし、テント場まで登山口から2時間!どんなへったくれでも大丈夫っしょ!!ということでやや弱気に始まった12月の週末。
快晴。
テントは新品です。
山岳テント買うぞ!と決めたのはほぼ一年前で、研究に研究をかさねてつい最近購入しましたアライテントのオニドーム1。
購入ポイントは、
- 2層構造で自立式
- ミニマリスト的超軽量
- 生地が丈夫
- 入り口が広くて、土間がある!
- ちょっと変わった形だし、ロゴとかデカデカと印刷されてなくて素敵
- 色はグリーンがあるとよかったけど、オレンジも明るくていいかも
でした。
くわしいことはまたお話ししたいと思いますが、使用感は上々。初めての自前テントなので他のテントとは比較できませんが、パッキングもしやすいし組み立てもスムーズ。(オニドームのレビューをこちらに掲載しました。)
文句のつけようがない。前室のスペースをフライシートでもう少し確保できればよかったなあ、くらいですかね。
オニのツノにあたるテント内のスペース(オニドームは上から見ると鬼の顔のような形をしています)や前室とか、本当に必要?と思われる方もいらっしゃるようですが、私にとっては室内と室外で超いい感じに使い分けできました。
夜、テントの横で熊がシカ狩りをしていた・・・?
さて、脱線してしまいましたが、登山日当日、空は青く突き抜け、相当な登山日和。しかし、塩山駅でバスを待っている人がイナイ。大菩薩嶺登山口で降車したのは、私ひとり・・・なぜ?
登山口はほとんど人もなくて、さみしく靴紐をしばって塗装路を登り始めます。
一人追い抜いていかれたけど、登山道に入ってもとにかく静か。
登山道は落ち葉が深く降り積もっていて、靴は完全に埋もれてしまうほど。
ってゆうか、なんで人いないんすか?
熊がこわくてわざわざ人のいるポピュラーな山を登山日和に週末に来てんのに。
なんでや!
と心で叫びながら、熊鈴を一生懸命鳴らして足早に登ります。
が、いつもより重たいザック(といっても超ミニマリスト仕様で9kg)のせいか、立ち止まっては息をつき、歩いては立ち止まるという情けないありさま。
結局コースタイムをだいぶんオーバーして福ちゃん荘にたどり着いたのは、13時ごろになっていました。
福ちゃん荘のあたりには人がいて少し安心。
しかし・・・
テント場使用の支払い(400円)をすませてテント場におりると、私以外のテントは一張しかない。
なぜ?そんなもんなんですか?
(夜には増えるよね、、、と細く希望を持っていたのですが、結局朝まで誰も来ませんでした。)
ともかく広々とテント場を使って設営をして、昼食。
テントの中は日光をよく吸収してかなり暖かかい。
午後は南ルートをとって一周してみる予定だったけれど、到着も遅くかったうえ4時半には日没となってしまうので、大菩薩峠まで軽くピストンすることに。
歩きにくい道だったら、明日は別ルートで大菩薩嶺にしようと思ったけれど、道は広くてとてもよく整備されていました。
とくに大菩薩峠からの富士山の眺めと雲海は感動的!
日没が不安なため、より眺望のある岩場のてっぺん(親不知ノ頭)の手前で引き返さざるをえなかったこともあり、翌朝も戻ってくることにしました。
さて・・・・夜・・・です
夕方5時にはもうすっかり暗くなってしまい、テントはフライシートのファスナーの上部を少し開けて換気をしながら炊飯。
防火のために火元をおおったアルミ箔が効率良く熱を反射して、テント内はすぐに温まりました。
今夜予定していた実験は、
- シェラフカバーなし、モンベル#3ダウンハガー800で、寒さに耐えられるのか?
という点。このシェラフはインカトレイル・トレッキングに行く際に購入したものです。日本のテント山行で使うのは初めて。
夜空は星が降るよう。夕食後あたたまったテントで就寝。
そして・・・22時ごろふと目が覚めます。
テント内の空気は冷えているようで、シェラフの口をなるべく小さく調整。
静かだなぁ、と思っていたら、突然獣の叫び声が近くでして、何者かが私のテントに向かって超高速で突進。
急停止して、私のテントの周りを嗅ぎ回っている息遣いが・・・・
熊だー!
熊にちがいない。どうしよう。
熊よけペッパースプレーない。
トレッキングポールもない。
武器がない!
そもそもテントを破られたら、シェラフから出るにも時間がかかるから逃げようもない!!
いや、きっと嗅ぎ回っているだけだ、山形の熊じゃないからわざわざ人を食べるために襲ったりしない!・・・よね!?
などと息を殺して思考しているうちに、獣の音は遠ざかっていきました。
ドキドキドキドキ。
こ、こんなもんなんですかっ、山でのテント泊ってのは???
・・・そして10分でしょうか、20分でしょうか、しばらくすると、人の足音とも思える音が、
トントントントントン
とします。
4歩だけ。テントのほんのすぐそこです。
光も何もありません。
そしてまた10分ほどすると、同じ足音が4歩だけします。
後で思えば、鹿の足音だったと思うんです。
そして寝落ちて次に起きたのは2時過ぎ。
もう一張りのテントのご夫婦が起きだしていました。
そのまま出入りしたり、炊飯をはじめたり。ご夫婦の声に安心しまくって、5時ごろまでうたた寝。
ありがとうぅ、人間。
ご夫婦がテントをたたみ始めた頃、私も起きて朝の支度を始めました。
不思議に、テント内はどんどん暖かくなったようで、起きた時には寒さは感じませんでした。
寝ていても、上からはやや冷気を感じましたが、下からはむしろ暖かくて不思議。
Expedのダウンマットがあたたかいのは本当だったんですね。
中にダウンが入っている空気注入式のマットです。
マット選びにも相当、骨を折った記憶がありますが、安くて冷え性・ミニマリストの要求を満たすマットを探した結果たどりついたマット。
あと、Mountain Equipmentのダウンパンツも履いていました。シェラフ+ダウン着込みで寒さをしのぐアプローチです。
なかなかいけました👍。
外はまだ夜明けの気配はなく、星は隠れてしまってまっくら。懐中電灯の光線が登山道から見え隠れしています。
もう峠に向かっている人もいるんですね。
のんびり朝食をとった後、夜が明けるころにようやくテントをたたみおえて出発。
すると・・・!
テント場からすぐそこの登山道に、鹿が頭と背中だけになって横たわっていらっしゃるではありませんか(涙)。
前日にはいませんでしたよ・・・。
ということは、昨夜聞こえたあの獣の雄叫びは、テン場でシカ狩りをする獣の声だったのでしょうか。
そして逃した鹿をこの登山道で捕らえて食らった、ということなんでしょうか。。。
かわいそうに。南無阿弥陀仏。
大菩薩峠に到着する頃にはすっかり明るくなっていて、晴天の朝日を受けて富士山が迫力そびえ立っていました。
美しい!

大菩薩峠から望む富士山
ここから岩場を登って大菩薩嶺へ至る林の前までは、眺望が開けて山々の世界。
至極快晴を堪能できました。
大菩薩嶺の山頂は眺望はまったくありません。
そこから丸山峠へと向かいましたが、登山道は山の陰で、先週の雪がアイスバーンになっているところも。
冬は通行止めになるんでしょうか。
丸山荘付近では野原が広がり、富士山がそそり立ってかっこよかったです。
が、その後の登山道はけっこう急な傾斜があり、おまけに膝を痛めてしまって、つらい下りとなりました。
福ちゃん荘方面へ下山したほうがよかったかも。
山メシこんだて
1日目昼食 | スープ・おにぎり2個・コーヒー |
1日目夕食 | アルファ米・貝柱缶詰・リゾット ・福ちゃん荘赤ワイン(400円) |
2日目朝食 | クリームスープ・コーヒー |
2日目昼食 | リゾット・生姜湯 |
食事は登山用品店によく売っているアルファ米とか、湯にとかせばできるリゾットやスープ。
初日ランチだけおにぎりをコンビニで買っていきました。
次はソーセージや野菜なんかを持って行ってみようかなと思っています。
コーヒーはちょっとこだわりがある私でしたが、いつもは山にはドリップコーヒーを持っていくのに、今回は粉末ものにしてしまい、やっぱり味はあんまり良くありませんでした。
コーヒーはちゃんとしたもの持っていきたいものです。
上記食料でけっこうお腹はいっぱいになりました。予備食を多く持っていったようで、かなり余りました。
といってもあんまり歩かなかったからかな。
テント設営の反省点
やわらかい土面のテント場では、ペグはグッと最後までさそう。
夜の間にゆるんでしまい、フライシートがインナーテントの側面にくっついていました。
前室で調理をした(本当はしてはいけません。どうか自己責任で)時の水蒸気でべっちゃり。
それがインナーテントの内側にも少ししみて、シェラフを濡らしていたようです。
買っておけば、、、と後悔したもの
- 熊撃退用ペッパースプレー:アメリカの友人に熊が怖いと告白したら勧めてくれた代物。とてもよく効くらしい。
- 温度計:テントの水滴をふいたタオルが一瞬にして凍りつきましたが、いったい何度だったんでしょう。
- シェラフカバー:保温にもよいらしいし、これは今後買いたいリストに追加ですナ。
さいごに
そういえば、丸山峠の少し手前で、鹿の群れに出会いました。
かん高い声が聞こえたかと思うと、山の傾斜面に数頭の鹿が。
しばらく私と対峙して、それから下っていきました。
前夜のできごとといい、何か伝えたかったのだろうかと勘ぐってしまいます。
「熊がそこにいるよ・・・」
とか?ヤメテー